●「剣客商売」で藤田まことさんの奥様役と聞いたときに思ったことは?
年の差40才の夫婦ということでお話を初めて聞いたときはびっくりしました。そして、原作の池波正太郎先生の本を読んでみて自分なりに役作りをして挑みました。また藤田さんももちろん本を読んでいらして、キャスティングのイメージをしていたようで、おはる役に私のことも頭に浮べてくれていたらしいです。“おはる”のイメージは、田舎っぽくて、ずんぐりむっくりしていて、足が短くて…。そうゆう体型の方が帯の位置がしっくり落ち着くとかという事で私の事を考えてくれていたいみたいです。(笑)
●“おはる”を演じていかがでしたか?
“おはる”という役柄はとっても魅力的だと思っています。甘え上手で、お料理も上手。少しキャピキャピしていて、自分自身とも近い部分があるなぁと感じていましたので、撮影中も違和感なく自然な形で藤田さん演じる“小兵衛”と夫婦役を務めことができました。
●当時の藤田まことさんについて教えてください。
台本の通りにそのまま演じる方ではなかったです。撮影現場では台本をいつも
片手に持って、監督に演技について相談されていました。“おはる”との
シーンでも違和感のある演技は絶対にされないんです。
現場に行って、私と藤田さんの2人で実際に動いて台詞を言ってみて、
より良い方が採用されるので、私が提案したものが採用されることも
ありとても楽しかったです。
現場で作品を更に盛り上げるような作り方をされていました。
●ということは、お芝居にはとっても厳しい方でしたか?
いい作品を作ることに賭けていらして、「剣客商売」に関しては
日本の時代劇の代表作になるような、きちんとした作品を製作する
ということで始まったので、藤田さんは、今までの経験も踏まえて
大切に挑んでこられたと思います。
●“おはる”の作るおいしいお料理について教えてください。
お料理自体は東京の天ぷら近藤さんが監修をしていて
台本に沿ったお料理を京都まで送ってくれていました。
お芝居で私は、給仕をする方なので食べられないのですが、
カットがかかったと同時にパッと食べたり、スタッフさんが、
お料理を取っておいてくれたりして、
いつもおいしくいただいていました。(笑)
現場も皆が家族みたいで楽しかったです。
●藤田まことさんの魅力と「観客商売」の見どころは?
たくさんの引出を持っているので、いつも面白いお話をしてくださいました。
人が嫌な気持ちにならないユーモアセンスをお持ちで
いつでも笑いがあって・・・。「剣客商売」ではシリアスな役だけではなく、
藤田さんのユーモアが作品にも表れていると思います。
是非そちらも楽しんでいただきたいです。
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